眺めは良好。間近に大きく焼岳、その右に続くのは穂高連峰から明神岳、焼岳の左手前に前回苦しんだ白谷山、その左奥に尖っているのは笠ヶ岳。
山頂で15分ほど過ごし、北側広場に戻った。
広場から県境稜線へ漸近していくつもりだったが、やや方角がずれて2110m小ピークに上がってしまった。ここで10時前。あとは基本的に尾根を下ればよいのだが、踏抜きを警戒してワカンを避け、アイゼンでのツボ足を通したこともあって案外と時間を要した。そうこうするうち行く手の空に雲が出て、太陽に暈(かさ)がかかる。
この気温(8℃前後)で降り出せば雨になる。雪山装備のヤッケやテントに撥水・防水性能はなく、濡れた上に風に吹かれれば低体温の恐れもある。2泊3日の計画だったが、残念ながら今回は1日短縮して安房峠で打ち切った方がよさそうだ。せめて安房山は落としたかったが、リベンジを誓って写真だけ撮った。
鞍部を経て、こんもりとした2019mピーク(<安房峠西峰>の山名板あり)に上がると、はや12時近い。ここから峠にかけての県境は単なる山腹斜面で、尾根のような目安になる地形が無い。コンパスを合わせた上でスマホGPSを併せ見て外さないように下りていく。傾斜は出だしから急で、山側を向いてピッケルを刺し、アイゼンを蹴り込む。50m程下るといったん緩むが、その先がさらに厳しくずっと雪壁下りだった。しかも雪が柔(やわ)で、下ろした足が時々沈み込んで抜くのに四苦八苦したりもする。
13時過ぎ、ようよう安房峠(1790m)に下り立った。
中ノ湯に下山することにしたが、国道歩きも思ったほど楽ではない。相変わらずのアイゼンツボ足で、安房山の北側に回るといっそう雪が深く、雪崩のデブリが出ている箇所まである。途中から小雨となる中、最後のヘアピンカーブのみショートカットして、
中ノ湯温泉[LINK]には15時半過ぎ。アイゼンを外してさらに歩き、16:20、釜トンネルまで下山した。雨が本降りにならなかったのは幸いだが、安房峠からの下りで足にマメができた。
■今回のルート
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